-授賞理由-
フィールドでの徹底した生態観察により、様々な生物種間関係の解明を進め、裸子植物グネツムの虫媒、カンコノキとハナホソガの絶対送粉共生などの重要な発見をした。加えて、若手研究者の育成にあたり、生態系保護の重要性を発信した功績
「自然と人間との共生」という花の万博の基本理念の実現に貢献する、すぐれた学術研究や実践活動を顕彰
第32回(2024年) 第31回(2023年) 第30回(2022年) 第29回(2021年) 第28回(2020年) 第27回(2019年) 第26回(2018年) 第25回(2017年) 第24回(2016年) 第23回(2015年) 第22回(2014年) 第21回(2013年) 第20回(2012年) 第19回(2011年) 第18回(2010年) 第17回(2009年) 第16回(2008年) 第15回(2007年) 第14回(2006年) 第13回(2005年) 第12回(2004年) 第11回(2003年) 第10回(2002年) 第9回(2001年) 第8回(2000年) 第7回(1999年) 第6回(1998年) 第5回(1997年) 第4回(1996年) 第3回(1995年) 第2回(1994年) 第1回(1993年)
加藤 真京都大学名誉教授
花と昆虫――共に歩んだ2億年
フィールドでの徹底した生態観察により、様々な生物種間関係の解明を進め、裸子植物グネツムの虫媒、カンコノキとハナホソガの絶対送粉共生などの重要な発見をした。加えて、若手研究者の育成にあたり、生態系保護の重要性を発信した功績
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山尾 僚京都大学生態学研究センター 教授
植物の“しなやかさ”に魅せられて
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田中 孝幸東海大学名誉教授
品種の起原を解く
- ハルサザンカ‘凱旋’との出会い -
ツバキ属植物の起原や分化に関する長年の研究を通じ、園芸品種の保護・保全・普及に多大な貢献をした。また、我が国の伝統園芸文化の独創性を、出版物を通じて国内外に向けて情報発信した功績
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長村 智司一般社団法人 フラワーソサイエティー 会長
鉢物培養土の軽量化、および市民活動による花・みどり環境の改善
培養土の標準化など、園芸技術を開発・普及し、家庭園芸の発展、人材育成に貢献した。さらに園芸市民団体(一社)フラワーソサイエティーの副会長・会長として、同会振興に努め、園芸文化一般の普及発展に大きく貢献した功績
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矢原 徹一福岡市科学館館長 一般社団法人九州オープンユニバーシティ研究部長・理事
身近な植物も不思議だらけ -植物を知れば世界が違って見えてくる-
日本やアジアの植物多様性研究において、科学的信頼性の高い独自の調査・評価手法を考案し、顕著な業績をあげ、その成果を発信してきた。また、大学教育や自身が率いるプロジェクト等を通じ、多くの優れた若手研究者の育成にも貢献した功績
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大山 修一京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科教授
ごみで地球をすくう -農業の起源と「ごみの野積み」理論-
西アフリカ・サヘル地域の人々とともに都市の清掃活動に取り組み、有機性ゴミを回収し、それを用いた荒廃地の修復と緑化活動を実践してきた。今後の地球環境の保全と修復、持続的な人類の生存と都市の発展に対して指針を示すことに貢献した功績
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七島花の会 神津島
人と花を繋いで 16年の歩み
海抜572mの天上山の頂上部に白砂の砂漠が広がるという特異な環境を有し、複数の固有植物種が生育する伊豆諸島の神津島において、市民による野生植物の調査と詳細な観察を続け、研究者や環境省による絶滅危惧種等の調査にも協力・貢献した。さらに、『神津島花図鑑』等を出版して、一般普及活動にも尽力した功績
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森本 幸裕京都大学名誉教授 公益財団法人京都市都市緑化協会 理事長
都市は雨庭で蘇る
森林生態系研究を活用し、都市を主な対象として実践的な緑環境の保全と創造に関する先駆的研究・教育に貢献しさらに「雨庭」の普及により、都市雨水の浸透貯留を高め、内水氾濫軽減、生物多様性保全、温暖化対策に取組み、国、地方自治体、企業での実用化に貢献した功績
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米倉 浩司一般財団法人 沖縄美ら島財団 総合研究センター 研究員
日本の維管束植物の種多様性を周辺と比較しつつ俯瞰する
タデ科やツツジ科についての優れた分類学的研究を行う一方、その幅広い知識に基づいて日本国内に自生・帰化している全ての維管束植物種と主な栽培植物種の和名と学名を整理した。さらに、ウェブ上でのそれらの検索システムYlistを整備し、日本の植物相の全容把握と保全に大きな貢献をした功績
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公益財団法人服部植物研究所
世界唯一のコケ専門研究機関-三四半世紀にわたる活動と今後の展望-
私費で設立した研究所。蘚苔類・地衣類の研究と資料収集を行い、英文学術専門誌も独自発行。研究所から1000を越える学術論文を発表。研究だけでなく、絶滅危惧種調査、標本集の発行、常設展示場の開館、市民研究員受入、地元の小中学校や他府県での自然観察会や講演会等,様々な工夫で自然教育の普及・啓蒙活動を行い、広くコケ植物の魅力の発見と啓蒙に貢献した功績
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山本 紀夫国立民族学博物館名誉教授 総合研究大学院大学名誉教授
高地文明の発見 -地球時代の文明学にむけて-
植物地理学・作物進化学・考古学・文化人類学・民俗学等を融合した学際的な研究を通じて、主として熱帯高地における、作物の起源と進化、農耕民の生活・文化・歴史、作物と文明形成など、広範な知見を明らかにすると同時に、多くの出版物を通じて学術的な成果の普及に努めた功績
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海老原 淳国立科学博物館植物研究部 研究主幹
シダの種形成パズルを解き明かす
日本産シダ植物のDNAバーコード情報を整備しその情報を活用して配偶体世代のみで生育しているシダ植物の多様性やそれらが交雑して起きる網状進化を明らかにした。日本シダの会の非職業研究家との協働により『日本産シダ植物標準図鑑』を出版するなど、一般普及へ貢献した功績
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多田 多恵子理学博士・植物生態学者
ようこそ! 植物のワンダーランドへ
植物生態学の博士号を取得後、積極的に植物の生態の魅力について広く一般への普及活動に注力してきた。その活躍の舞台は広く、NHKラジオ子ども科学電話相談、各種図鑑等出版物の解説、また種苗会社月刊誌での連載などにも及ぶ。また立教大学ほかにおいて非常勤講師もつとめ後進の指導にもあたっている。植物好きの裾野を広げた功績
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西田 治文中央大学理工学部生命科学科教授
化石が語る、花のたどってきた道
植物化石から当時の生態を解き明かす古植物学が専門。絶滅裸子植物の精子の発見や、現生の植物の系統解析で生じるミッシングリンクを花化石の研究によって解決するなどロマンのある研究を展開している。「植物のたどってきた道」や「化石の植物学」といった一般向けの著書で、化石研究の魅力を伝えることにも貢献している。
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末次 健司 神戸大学大学院理学研究科准教授
光合成をやめた植物のしたたかな生存戦略
他の生物から養分を略奪する植物である寄生植物、菌従属栄養植物、ラン科植物などを対象にそれらの送粉共生系と菌根共生系の研究で画期的な学術成果をあげている。新種植物の発見、絶滅危惧植物の保全に寄与し、ツイッターなどによる情報発信と広範な共同研究を通じて社会に大きく貢献している。
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髙橋 弘岐阜大学名誉教授
岐阜県に特徴的な植物
原始的被子植物、あるいは中部地方の絶滅危惧植物種などを主たる対象にして形態分類・地理・生殖生物学的な研究を進めて、これらの保全に必須である基礎情報を明らかにした。その一方で、岐阜県植物誌調査会の会長として、地元の非職業研究家の力を束ねて岐阜県植物誌の出版を主導した。
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中西 弘樹長崎大学名誉教授
タネはどうやって広がるのか
「海流の贈り物」をはじめとする一連の海岸植物と種子散布についての著作は、この分野のパイオニア的存在であるとともに、動かない植物の戦略と分布変遷について、一般の読者にも広く紹介する役目を果たした。氏が定義した九州西回り分布型植物は、植物の分布を説明する魅力的な説である。日本全国の海岸を広く網羅した日本の海岸植物図鑑を出版する一方で、地域植物研究の集大成である長崎県植物誌を出版するなど、精力的かつ体系的な学術業績は大きな評価に値する。
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田金 秀一郎鹿児島大学総合研究博物館特任助教
東南アジアの植物種多様性の解明を目指して
東南アジアの幅広い植物について網羅的な知識をもち、広い地域で精力的な野外調査を行なっている。新種、新産地報告の論文は100本に達し、その知識をわかりやすくまとめた植物相のチェックリストや図鑑は東南アジア各国の研究水準の向上に大きく貢献している。熱帯林の多様性の解明と保全の国際的発展のために欠かせない人物。
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鷲澤 幸治秋田国際ダリア園代表 日本ダリア会理事長
ダリアルネッサンス
ダリアの民間育種家で異業種から参入して独力で秋田国際ダリア園を開設運営した。‘黒蝶’、‘熱唱’などの画期的な切花用ダリア品種を数多く育成し、ダリアブームを創成・牽引した。
また、日本ダリア会の再結成に貢献し、二代目理事長として旺盛な活動を続ける。
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角野 康郎神戸大学大学院理学研究科教授
水辺に生きる植物たち
生態学的および系統分類学的研究により日本の水生植物についての体系的な知識を構築したのみならず その著作や研究会活動を通じて一般社会への保全生態学の普及に大きな貢献をした功績
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仁田坂 英二九州大学大学院理学研究院講師
アサガオの変化に魅せられて
変化朝顔の体系的な保存と維持に尽力され、展示会、講演会、また著作を通してその普及に努めてこられたばかりでなく 変異の原因遺伝子を分子遺伝学的に解析し アサガオの科学的理解にも大きく貢献した功績
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森 和男植物自由業
高山植物の栽培と保全
世界各地の野生植物を探訪調査し 日本の気候風土に適した高山植物の独自の栽培方法を開拓するとともに、その成果を多数の著書や講演を通じて一般に普及し 植物文化の発展に大きく貢献した功績
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三位 正洋千葉大学名誉教授
夢の植物をつくる
花卉園芸植物をはじめ多くの有用植物における培養・育種手法の開発に携わり、遺伝子導入による青色コチョウランや青色ダリアの作出に代表されるようにさまざまな植物の育種や保護において、大きな学術的・社会的貢献をした功績
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藤井 伸二人間環境大学人間環境学部 准教授
標本にこめる想い、こめられた想い
豊富な植物知識と精力的な野外調査をもとに、絶滅危惧植物の分布や生態を明らかにするとともに、日本の野生植物のレッドリストの作成に参画するなど、植物多様性の保全に大きく貢献した功績
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田中 肇フラワーエコロジスト
花の構造と機能を追って
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河野 昭一京都大学名誉教授
花に魅せられし60年
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山田 敏弘金沢大学 理工研究域自然システム学系 准教授
化石を眺めて考える植物の生い立ち
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大井 美知男信州大学農学部 教授
野菜の過去と未来の橋渡し
アブラナ科を中心とする野菜在来品種の来歴と品種成立の過程を明らかにして有用資源として保全・活用すると同時に、在来品種の形質をもつ新品種を育成し、その普及活動を通じて中山間地農業の振興に貢献した功績
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加藤 雅啓東京大学名誉教授 国立科学博物館名誉研究員
美を捨て限界に生きる植物を探る-"植物"らしからぬカワゴケソウ-
シダ植物の分類や種分化、渓流植物の適応進化などの研究を通じて、植物の多様性と環境適応・形態進化の解明に幅広く貢献し、植物形態進化学の分野を切り開いた。
また、長年にわたり熱帯アジアの植物相の解明に力を注ぎ、日本および東アジアの絶滅危惧植物のレッドブックを共通化するなどの国際貢献も高く評価できる。
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大原 雅北海道大学大学院 地球環境科学研究院教授
植物の生活史研究から環境教育へ
エンレイソウ、カタクリなど春植物の生活史や繁殖生態を、フィールド調査と遺伝解析、数理モデルを組み合わせた手法で長年にわたって研究し、顕著な業績をあげた。
また自然の中で逞しく、また美しく生きる植物の生き生きとしたすがたを環境教育の場で広く紹介するとともに、北海道の自然を保全する活動も高く評価された。これらの成果は今後のさらなる発展が期待できるものである。
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小笠原 左衛門尉亮軒公益社団法人園芸文化協会副会長 名古屋園芸株式会社 取締役隠居
江戸の園芸文化-本草と農業から生まれた庭園、いけ花、そして園芸-
日本の花き産業と園芸文化の普及に多大な貢献を成した。とりわけNHKテレビ「趣味の園芸」に番組開始当時から講師として、花の楽しみ方、育て方を解説してきた。自ら多くの植物を育て新しい技法を開発する研究者であり、その実践に裏打ちされた技術をテキストや書籍として出版し市民の生活の中に根付かせた。
また、江戸時代に花開いた園芸文化、とりわけアサガオやキクの魅力と庶民性を今日に伝えるなど、活私開公の精神が貫かれている点で高く評価できる。
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小西 国義岡山大学 名誉教授
この半世紀の日本花卉園芸の進展-その間わたしは何をしたか-
多年生花卉類の生態反応を日長と温度に依存する年周性として理論化し、その知見を基に数々の作型を開発した。また、花卉生産の安定化に向けて土壌の蒸気消毒と養水分の管理手法を開発し、それらの技術普及に尽力した。なかでも秋ギクの穂冷蔵による電照抑制栽培法や灌水同時施肥に基づく施肥法などは、現在まで重要な技術として継承されている。
さらに、アルゼンチン園芸開発計画の立ち上げや国立花卉研究所の設立に多大な貢献を果たすなど、国際技術協力分野でも大きな成果を生み出している。このように日本の園芸学の発展に大きく貢献した点が松下幸之助記念賞の受賞者にふさわしいと評価され、選定された。
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塚谷 裕一東京大学大学院 理学系研究科 教授
植物を尋ねて-ボルネオ、小説、そして実験室-
発生生物学者として植物の構造の主要な構成要素である葉に注目し、モデル植物シロイヌナズナを用いて、葉形・サイズの制御機構の解明に貢献してきた。さらにそれを、自然界で見られる渓流植物の狭葉化、イグサ科植物の単面葉、アスパラガス属の茎の偽葉化などといった、特徴的な形態を示す葉や葉と類似する器官の形成機構の研究へと発展させている。
また、フィールド調査による新種の記載も進めている。植物に関する魅力的な著作物を多数発表しており、人と自然の関わりを深める上での貢献も高く評価された。植物学に関する学術的評価だけでなく、植物への深い洞察を通じて社会への知識還元に積極的に取り組んでいることが評価され、松下幸之助記念奨励賞の受賞者として選定された。
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伊沢 正名元自然写真家/糞土研究会 主宰
人と自然の本物の共生を求めて
生態系の中で重要な働きをするものの、時に嫌われることがある菌類、あるいは小さいためにあまり注目されないコケ類を紹介する多くの書籍に氏の写真が多数用いられてきた。それらは生態的特徴を深く理解したうえで撮影されたもので、氏の独創的で精緻な写真は幅広い読者に強い印象を与え、菌類やコケ類への理解を促してきた。植物に関する精緻でかつ学術的にも深い洞察をもった写真を通じて植物世界の豊かさを社会に知らせるうえで大きく貢献したことが、今回が最初の授賞となる松下正治記念賞にふさわしい功績として評価された。
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小山 鐵夫(公財)高知県牧野記念財団 理事長/高知県立牧野植物園 園長
高知県立牧野植物園-その発展と道すじ-
長年にわたる単子葉植物カヤツリグサ科を中心とした分類学研究は、地球規模での植物の多様性の解明に多大な貢献を果たした。
加えて、高知県立牧野植物園のリニューアルに際し同園を国際的水準に合致する植物園へと改革し、植物の多様性維持の大切さを広く社会に発信した。また、日本での資源植物学の確立にも努めた。
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黒沢 高秀福島大学 共生システム理工学類 准教授
植物相を調べて地域の自然を守る
トウダイグサ科の分類学研究で国際的な推進役を果たしている。一方、福島大学での多様性教育として、県内諸地域の植物相を学生と調査し、更に成果を公開し、地元の人々の自然理解向上に役立てる活動を続けている。加えて、福島県での災害復興計画では、調査実績から多様性保全の意義と具体的提言をおこなうなど、多大な貢献を果たしている。
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落合 雪野鹿児島大学 総合研究博物館 准教授
人とともにある植物-フィールドワークから展覧会へ-
雑穀類やジュズダマ属植物、アオバナなどと人間との関わりを学際的なアプローチによって調査し、民族植物学の分野で大きな功績をあげた。
また、異分野・異業種の専門家との協働によって創造された移動博物館(トラベリングミュージアム)は、調査地社会をも対象とした研究成果公開の手法として高く評価される。
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堀田 満西南日本植物情報研究所 所長 鹿児島大学/鹿児島県立短期大学名誉教授
西南日本の植物たち-二十年の間に明らかにできたこと-
奨励賞の受賞以後、引き続き植物多様性や人と植物の関係の研究を進め、また豊富な植物情報の蓄積をもとに「鹿児島県レッドデータブック-植物編」の執筆、「緑の島奄美」などの貴重な植物の生きた映像資料の作成などを通して植物の面白さ、大切さを広く社会に発信し続けてきた功績を顕彰する。
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菊澤 喜八郎石川県立大学 環境科学科 教授
樹木行動学ことはじめ-動かない樹木の行動を探る-
樹木の展葉と落葉のフェノロジーに関する詳細な記載とその理論化を通じて、植物の生活を理解する新たな方法論を提示することで、植物生態学の分野で大きな功績をあげた。また、『植物の繁殖生態学』(蒼樹書房)や『森林の生態』(共立出版)などの執筆によって、最新の研究をつねに統合しそれを発信することで、後進に多大な影響を与え続けてきた。
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宇田 明(株)なにわ花いちば テクニカルアドバイザー
切り花の寿命を延ばす
カーネーションの低環境負荷・低コスト生産技術,STSによる品質保持技術を開発するとともに、レファレンステストの普及など近代的花卉生産・流通技術の発展・普及に大きな功績があった。また、淡路花博での植栽管理、カーネーション100年史の編纂等を通じて園芸文化を発信し社会に貢献した。
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能城 修一森林総合研究所 木材特性研究領域チーム長
日本における木材利用史-縄文時代における木材資源利用を対象に-
専門の木材解剖学及び植物分類学での国際的な業績に止まらず、その技術・知見を駆使して、遺跡等出土の木材を同定し、その知見から日本の後氷期での植生変遷の解明に尽力した。また、森の国、日本にふさわしい、木材利用を発達させた文化の実態の解明にも貢献した。なかでも、ぼう大な数の木製仏像の樹種を解剖学の所見から明らかにした功績は高く評価される。
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唐澤 耕司(財)海洋博覧会記念公園管理財団 研究顧問
ランの多様な進化 唐澤耕司
ラン科植物の基礎研究、育種を長年続けてきた実績をもとに多くの著書を発表し、一方、多くの学術研究・保護活動を行う各種団体の委員などを歴任して、ラン科植物の普及と社会的啓蒙を果たしてきた。また、さまざまなラン科植物の栽培施設の創設に尽力し、後進の指導、育成に努めてきた。
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酒井 章子総合地球環境学研究所 准教授
送粉共生系-花と虫の織りなすネットワーク
林冠木の開花フェノロジー、および送粉、種子散布などの繁殖生物学に関する新たな発見を通じて、熱帯雨林の開花現象の要因を解明するとともに、ショウガ科の新属・新種の記載など植物分類学の分野でも大きな功績をあげた。植物多様性の保護を訴える執筆や啓発活動にも積極的に携わっている。
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森 弦一NPO法人 栽培植物分類名称研究所 副理事長
きみしかないか;ダーウィン
90点以上の書籍編集に携ってきた。大半が植物に関係するもので、書籍を通じての花と緑への理解と普及を支えてきた。なかでも1980年から10年かけて出版された『園芸植物大事典』(小学館)は、日本の園芸界が総力をあげて出版に関わった歴史的出版物で、その編集責任者として貢献した。
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岩月 善之助(財)服部植物研究所 所長
コケと過ごして50年
日本はコケ植物の多様性が高いが、その分類学研究は遅れていた。世界中から標本を収集し、微小な形態を克明に解析し、類似種との異同を明らかにし、日本のコケ植物相の解明に尽力し、分類学上の新見解を多数発表した。国内外の学会で活躍され、図鑑などを著し知識の普及にも貢献した。
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土橋 豊甲子園短期大学 教授
異国植物へのセンス・オブ・ワンダー-熱帯・亜熱帯植物の魅力を伝えて-
園芸植物の正確な植物同定に基づいて記述された多くの著作を通じて、観葉植物、熱帯果樹、洋ラン等の多様な熱帯・亜熱帯産植物を紹介し、命名の混乱を整理して園芸的な利用促進に繋げた貢献した。また、植物の多様性やおもしろさについて、一般・子供向けの啓発活動を積極的に行っている。
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梅林 正芳植物画家
植物図と地域貢献-植物図が伝えるもの-
植物の複雑な構造を精密かつ巧妙に描いた植物画を多数制作した。それらは依頼者の論文等に挿入され、論文等の学術的価値を高めただけでなく、図解を通じ植物の構造についての知識普及に貢献した。日本では学術中心の植物画家の雇用先はなく、今回の受賞が励みになると期待される。
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中島 睦子植物画家
標本と標本画の必要性について
植物の複雑な構造を精密かつ巧妙に描いた植物画を多数制作した。それらは依頼者の論文等に挿入され、論文等の学術的価値を高めただけでなく、図解を通じ植物の構造についての知識普及に貢献した。日本では学術中心の植物画家の雇用先はなく、今回の受賞が励みになると期待される。
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松尾 英輔東京農業大学 教授
園芸福祉:園芸を通してのしあわせと健康-育てることの意義-
植物との関わりが人間の心身、社会に与える影響についての調査・考究を踏まえ、園芸の新たな機能としての園芸福祉を提唱し、社会園芸学の領域を確立した。また、その実践活動を通じて学校教育の場や心身障害者を含め、園芸の「育てる」機能の活用を広く現代社会に普及せしめた功績。
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門田 裕一国立科学博物館 研究主幹
アザミの王国、日本列島-日本列島に生きるさまざまなアザミたち-
種の分類が最も難しいキンポウゲ科トリカブト属とキク科アザミ属の分類に取り組んできた。日本国内の種についてはトリカブト属60種中30種以上、アザミ属120種中60種以上を新たに記載するなど、日本の植物相の豊かさの再認識と今後の植物利用の可能性への貢献。
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神奈川県植物誌調査会
神奈川の緑の戸籍づくり-みんなで調べ続けて30年-
市民が主体となった神奈川県植物誌の刊行をめざし、1979年に組織された。県内の博物館を拠点に会員が連携し、調査と編集を行い、1988年に独創性に富む植物誌出版を実現した。関連して絶滅危惧種のモニタリング調査を実施するなど、地域の生物多様性保全にも貢献。
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伊藤 秀三長崎大学 名誉教授
菊の大木 スカレシア-ガラパゴスの植物の進化と生態-
植物群集の構造解析と種多様度の研究について新たな発想の研究を展開し、日本の植生研究に重要な貢献をした。特に日本 国内の島々にとどまらずガラパゴス諸島をはじめとする海外の島での植生研究を通じて、島嶼の植物群集の研究と保護に貢献。
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荒川 克郎(財)札幌市公園緑化協会
原種ユリ栽培の魅力-札幌百合が原公園での経験から-
世界のユリ属植物を種子により収集し、77種268系統に及ぶ 系統保存を植物体により行っている。また、耐病性の選抜や低農薬栽培法を確立し、百合が原公園内に「世界の百合広場」を完成させて広く一般に展示し、さらに英国王立園芸協会やユリ協会を通じた種子の頒布により、ユリ属資源の保護とユリ園芸の普及に貢献。
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星野 卓二岡山理科大学 教授
単純だけど魅力あふれる植物-カヤツリグサ科植物の世界-
目立たない植物の代表であるカヤツリグサ科、特にスゲ 属植物を研究し、分類・系統・種分化の理解のため研究成果を挙げた。同時に、「日本すげの会」を発足させ、そのリーダーとして多数の全国会員を擁する会へと発展させ、植物に触れ、学ぶ面白さを広く社会へ伝えてきた功績。
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大場 秀章東京大学 名誉教授・東京大学総合研究博物館 特任研究員
セーターを着る植物、温室をつくる植物-ヒマラヤの高山植物の魅力-
日本の植物相やヒマラヤの高山植物に関する広範な分類学的研究は高く評価される。また、「Flora of Japan」の編集、さらに「シーボルトの21世紀」、「サラダ野菜の植物史」などの多数の著作によって、植物学を通した国際交流、植物の大切さや面白さを社会へ伝えることに貢献した。
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今井 敬潤岐阜女子大学 非常勤講師
柿渋の文化をたどって-学ぶこと、伝えたいこと-
日本各地で継承されてきたカキ渋の製法及びその利用法を、 わが国の重要な伝統技術として認識し、自らの実地調査から丹念かつ詳細にその貴重な技術を掘り起し、『柿の民俗誌-柿と柿渋』 および 『柿渋』 の2冊の著書として上梓することで、現代に通じるカキ渋の歴史的意義を再評価した功績。
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芹沢 俊介愛知教育大学 教授
ありふれた植物こそおもしろい
主にシダ植物とテンナンショウ属植物に関する分類学的研究において卓越した観察眼により多大な成果を挙げた。さらに愛知県を中心に精緻な標本に基づく地域植物相研究に尽力し、ユニークなレッドデータブックを作成して野生植物の現状を広く社会に訴えた。
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清水 建美金沢大学 名誉教授・信州大学 名誉教授
永年にわたる国内における地方の植物相、特に高山植物に関する一連の分類学的研究は高く評価される。また、高山植物図鑑や「日本草本根茎図譜」の発行、および「長野県植物誌」の編纂、更に、地域の高山植物の保全活動にも取り組むなど、地方の植物相と高山植物の理解に大きな貢献をした功績
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梅沢 俊植物写真家
北の野山から-北海道旬の花事情-
植物写真の撮影には、卓越した撮影技術、花をみる美意識、そして正確な植物学的知識が要求される。若くして北海道の山々を跋扈し、撮影した無数の写真には、背景にある山野、森の情景が常にあり、研ぎ澄まされた花を見る目と、その執念を感じさせる秀作が数多い。ユニークな花の世界を紹介した功績
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横田 昌嗣琉球大学 理学部 教授
亜熱帯の島 沖縄の自然と野生植物-絶滅の恐れのある植物の現状と今後の課題-
日本の最南端にある琉球列島は多くの島嶼からなり、亜熱帯気候に特有な多様性に富んだ植生と植物相からなる。永年にわたる琉球列島の植物相と併せて取り組む日本産ラン科植物の研究は、手薄なこの地域、分野の研究にとり金字塔になるもので、同時に取り組む地域の絶滅危惧種の研究を含めた功績
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大場 達之(財)自然保護助成基金 理事 元 千葉県立中央博物館 副館長
地域の植物を調べる-市民の身近な環境情報としての植物誌-
専門分野は、植生学、植物地理学である。日本列島の高山植生に関する綿密な群落構造と種多様性の解析、併せて構成種の植物地理学的位置の評価を含む一連の研究は高く評価される。また神奈川、千葉両県の植物誌は豊富で、かつ新たな視点を盛り込み、地方植物誌のモデルとされている。
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吾妻 浅男高知県農業技術センター 所長
(右端が吾妻氏)
地方の試験場という恵まれない研究環境のもとで、スターチスをはじめ数多くの種類の宿根草花について、その土地の条件に合致した新しい栽培技術を研究開発し、地域の花卉産地の育成に成功した。同時にそれらの研究成果により、広くわが国の花卉産業の発展に大きく貢献した。
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山本 紀夫国立民族学博物館 民族文化研究部 教授
新大陸原産の栽培植物ならびに農耕文化についてのアンデス高地での30数年間に及ぶフィールドワークの研究成果として、中央アンデスに開花した諸文明が、従来の通説であったトウモロコシではなくジャガイモを基盤としたものであることを証明したことは民族植物学的に高く評価されるものである。
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東マレーシアにおける熱帯雨林生態研究チーム代表 荻野 和彦 滋賀県立大学環境科学部 教授
山倉 拓夫 大阪市立大学理学部 教授
中静 透 総合地球環境学研究所 教授
なぜ、熱帯雨林をしらべるのか-熱帯雨林のたいせつさと研究の未来-
13年間にわたり、東マレーシアの世界で最も豊かな熱帯雨林の研究に取り組み、生物多様性、共生系並びに熱帯雨林の成立の仕組みに関して、大量の貴重な業績を上げてきた。地上数十メートルの林冠部での困難をきわめた様々な生物の標本資料の採集、数十万本の樹木の継続測定、大気環境の長期測定などによる熱帯雨林の生物多様性、動態、地球環境変動に果たす役割の解明への貢献は、極めて高く評価される。
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大川 清静岡大学農学部 教授
日本の代表的花卉であるバラ、ユリ、トルコキキョウについて、優れた研究により、その生産技術の確立に貢献した。特にバラについては、国内外の膨大な文献を収集するとともに、自らの研究成果をもとに、その生産と流通に関する著書や文献集を出版し、バラ産業の発展に大きく寄与すると共に、人々の生活における花と緑の普及に貢献した。
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南谷 忠志野生植物研究家
(左が南谷氏)
長く高等学校の教諭を務める傍ら、南九州地域の植物を鋭い目で見つめてこられ、60種類以上もの新種や新変種を発見採集された。特に南九州地域で特異的な分化を遂げたミツバツツジ類の分類については、すぐれた貢献をされた。さらに宮崎県総合博物館学芸課長、副館長を歴任し、宮崎県レッドデータブックの編集、自然環境の保全などに尽力された。
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中村 武久東京農業大学 名誉教授
研究歴は多彩である。初期のシダ植物の分類学的研究に始まり、後年は熱帯研究にその半生を捧げてこられた。熱帯のマングローブ林の生態学的研究、メラネシアの農耕、特にバナナを初めとする栽培植物の研究などに、多くの成果をあげ,熱帯系の絶滅危惧植物の保護についても力を尽くした。また、植物の世界の美しさ、多様さ、その利用価値と植物自然の保全の重要性など社会的な教育活動を行い、高く評価されている。
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今西 英雄東京農業大学 農学部教授 大阪府立大学 名誉教授
(右が今西氏)
球根花卉の開花調節技術の開発や切り花の品質保持に関わる研究は、国際的に高い評価を受け、わが国の花卉産業の発展を支える技術となっている。また、心理学をも取り入れた花と人との関わりに関する研究を通じ、園芸が社会に果たす多面的な役割についての啓蒙活動と、人々の花と緑に対する意識の啓発に積極的に取り組み、成果をあげている。
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増沢 武弘静岡大学 理学部教授
(右が増沢氏)
高山・極地植物の生態に関する第一線の研究者である。日本列島の高山帯を始め、広く北極圏、ヒマラヤ、アンデス、南極までも射程距離に入れて、極限環境に生きる植物たちの生きざまや生態系の成立要因に関する研究で、数多くの新知見をもたらした。「高山植物の生態学」、「富士山頂の自然」などの専門書、啓蒙書などの著書も多い。
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植物同好じねんじょ会代表 石沢 進
「じねんじょ会」は、1968年以来、新潟県を中心とする植物分布資料を、すべて現地調査資料に基づき、会誌「じねんじょ」23巻、「新潟県分布図集」20巻にまとめ、刊行してきた。35年近く自力で刊行し続けた膨大な分布資料は、類をみない重厚で、精度の高い内容を含み、地域研究の正にお手本とでも言うべきものである。その一貫した研究態度は秀逸で、高く評価される。
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第16代 佐野 藤右衛門植藤造園 代表取締役
16代にわたり植木職・造園業を継承し、国内外の桜の保存と普及に大きな貢献をしてきた。全国の桜を地道に調査・記録し、保存のために各地に適した桜の育成に努め、現在200種を保存、「桜守」と呼ばれている。また、世界各地で日本庭園を手がけて桜の普及に努め、国際交流の功績も大きい。
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田川 日出夫鹿児島県立短期大学 学長
桜島を舞台とした火山植生の遷移の研究から始まり、クラカタウ島噴火後の植生回復、さらにカリマンタンの山火事後の植生回復についての諸研究は国際的にも高く評価されている。また九州南部から南西諸島、特に屋久島の自然保護に尽力し、この地域の生物多様性と自然環境の保全に重要な貢献をした。
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山手 義彦(有)精興園 代表取締役
(右端が山手氏)
日の長い夏でも電照だけで開花を調節できる夏秋菊、管弁(くだべん)で先端だけが平弁(ひらべん)の風車菊、開花の順序が下から上に向かうデルフィマム、生育が良く 揃い屑花がほとんど出ない切り花菊など、形や性質が従来にないタイプの品種を作出し、菊育種の分野で世界をリードする成果をあげた。
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佐藤 謙北海学園大学工学部 教授
広大な北海道の高山を踏破し、植物相と植生に関する数多くの学術的知見を確立した。特に、未知であったキリギシ山の特異的な石灰岩植生と植物相を明かにし、ヒダカソウ属の第3の固有植物、キリギシソウを発見した。また特異な風穴植物が発達する東ヌプカウシ山域の保護保全への貢献は高く評価される。
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田村 道夫元 神戸大学理学部教授
原始的被子植物キンポウゲ科の進化・系統上の位置付けを明らかにした功績、また日本の植物学者として初めて「Die Natulichen Pflanzenfamilien」を執筆した功績
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藤岡 作太郎(社)兵庫県森と緑の公社 花と緑のまちづくり研究所 所長
人が自然と共生して地域独自の文化を育むことをめざす「景観園芸」という園芸の新分野を創出し、各地における花と緑の街づくり事業を通して、その概念の普及に寄与した功績。
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和賀山塊自然学術調査会(会長:高橋祥祐)
学術的にほとんど未知だった和賀山塊を、10年間にわたって克明に調査し、「和賀山塊の自然」と題する学術調査報告書を出版してその原生的動植物相を明らかにした功績
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佐藤 洋一郎静岡大学農学部助教授
DNA分析手法を用いて、イネ栽培化の発祥地を中国長江下流域だと提唱し、また縄文時代にすでにクリが栽培化されていた可能性を示すなど「DNA考古学」という新分野を開拓した功績
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鮫島 惇一郎自然環境研究室主宰
鮫島 和子札幌学院大学名誉教授
世界のエンレイソウを、精細な描写の原画と和・英ニヶ国語で解説した「原色図鑑エンレイソウ属植物」を共著で刊行した功績、また北海道の花を紹介した啓蒙書により自然保護に貢献
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中村 桂子JT生命誌研究館副館長
30数億年に及ぶ生物進化の多様性を「生命誌」という独自の視点から説き、人と自然の共生を訴えると共に、花と緑をもたらす基本的原理を、多様なメディアを通じて普及した功績
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安藤 敏夫千葉大学教授
現在知られている15種3亜種のペチュニア属のうち、7新種1新亜種を発見・記載し、その遺伝的種間関係を解明して、栽培と品種改良の基礎資料を提供し、花卉園芸の発展に寄与した功績
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小泉 武栄東京学芸大学教授
日本の高山・極地植生を生態学ならびに自然地理学の多面的視点より研究し、その成因と変遷史を論証した功績、また「山の自然学」ほかの著作により社会的啓蒙を果たした業績
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佐々木 崑写真家、自然科学写真協会会長
戦後の生物写真に新風をおこし、自然写真分野の先駆者として今日の隆盛への機運を開き、その展望を支えてきた功績、および自然科学写真協会の設立により普及・啓発にも努めた業績
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松川 時晴福岡県農業協同組合連合会 花き担当技術顧問
(右が松川氏)
生産量のきわめて多いユリ・キクなどの重要品種を開発し栽培法を確立して、花卉産業に貢献した功績、および接触刺激による植物の矮化現象を発見し実際栽培に応用した特異な業績
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淺井 康宏東京歯科大学副学長
歯科学の権威として活躍のかたわら、外地から日本へ、もしくは日本から外地に侵入・帰化した植物を綿密に探索して多くの新知見を加え、帰化植物学を講じて教育面にも貢献した功績
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清水 善和駒澤大学文学部教授
小笠原諸島の植生の特性と動態を、他地域の植生と比較しつつ正確に把握し、その本来の姿を理論的に解明して、固有生物に富む大洋島の将来像の策定に科学的根拠を提供した研究業績
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阪本 寧男龍谷大学国際文化学部教授
雑穀類の原産地・栽培起源に関する優れた業績、及び東アジアのモチ性穀物の文化誌、ムギの民族植物誌、インド亜大陸の雑穀農耕文化などの広汎な研究により栽培植物学・民族植物学に貢献した功績
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富山のチューリップ育種グループ(富山県農業技術センター野菜花き試験場)
50年の長きにわたり、日本の風土に適したチューリップの育種に取り組み、多数の優れた品種を作出し、また日本における栽培技術の確立に努め、今日の球根産業の発展に貢献した功績
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矢原 徹一九州大学理学部教授
植物の進化を花の性との関連で追求した優れた業績、生物多様性保全の必要を科学的に明らかにした保全生態学の著作、並びに日本の絶滅危惧生物種の基礎調査に中心的役割を果たした功績
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吉池 貞藏安代町花卉開発センター所長
東北の山野に自生するエゾリンドウに着目して多数の優れた交配品種を作出し、切り花市場の主要商品へと育てた功績、並びに栽培技術の研究・指導により花卉産業の発展に寄与した功績
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鈴木 省三京成バラ園芸 非常勤顧問
バラの遺伝子資源の収集と育種にその生涯をささげ、数々の優良品種を育成して日本のバラを国際水準にまで高めるとともに、日本におけるバラ園芸の普及に貢献した功績
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渡部 忠世京都大学 名誉教授
(中央が渡部氏)
作物学研究者としての優れた業績、とくに栽培稲および稲作の起源と伝播経路の解明、アジアの農耕文化研究の振興、日本農業の現状への洞察と建設的な問題提起などの功績
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村田 源元 京都大学講師
日本とアジアの植物の調査研究への貢献、日本のナチュラリストの活動の中心的役割、ハーバリウムの維持管理などを通じて、植物の種多様性研究を支えてきた功績
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鷲谷 いづみ筑波大学助教授
各種植物の種子の発芽戦略、絶滅危惧種や帰化植物の生活史の研究を通じて、日本における保全生態学の基礎を確立し、種の保護・環境保全に貢献してきた功績
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初島 住彦鹿児島大学名誉教授
西南諸島の植物相の研究にその半生をささげ、困難な現地調査をもとに「琉球列島植物誌」を完成し、固有種が多く豊かで貴重なこの地域の自然の実態を明らかにした功績
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萩屋 薫新潟大学名誉教授
日本の代表的な常緑低木ユキツバキとヤブツバキの野生集団より優良な系統を発見し、交雑により数多くの新しい園芸品種を育成すると共に、国際的にツバキ園芸の普及に果たした功績
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下園 文雄東京大学理学部附属植物園主任技官
(左が下園氏)
小笠原諸島で絶滅の危機に瀕している植物を植物園で増殖し、自生地に植え戻して勢力を恢復する事業とりわけムニンノボタンで成果を挙げ、環境保全の重要さを訴える効果を挙げた功績
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角野 康郎神戸大学理学部助教授
水草の分類学、生態学の研究に成果を挙げ、日本産種の解明に貢献し、また地球環境の劣化に伴って絶滅の危機においやられる水草の種の実態を社会に訴え、環境保全に提言を行ってきた功績
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四手井 綱英京都大学名誉教授
内外各地での調査研究を通じて、森林と積雪の関係、森林生態系の物質循環の研究を推進し、国際的な評価を得るとともに、森林管理、自然保護の指導と実践に尽力した功績
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小井戸 直四郎元小井戸微笑園園長
栽培キクの品種改良に献身し、「夏ギク」「秋ギク」「芽なしギク」などの新品種を育成することによって世界に誇りうる日本のキクの周年栽培業の確立に大きく貢献した功績
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湯浅 浩史(財)進化生物学研究所研究員
各種植物群の進化、類縁関係を細胞遺伝学的に解明し、また民族植物学の分野で、花文化の国際比較など多くのユニークな研究を発表し、かつ活発にそれら成果の普及に努めつつある功績
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鴻上 泰高知県立牧野植物園技監
牧野植物園の植物管理を担当し、その発展に努めるとともに四国の植物調査と保護に尽力しつつある功績、および「花博」で展示された野生植物の生態ビデオ映像製作に対する顕著な功績
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伊佐 義朗(財)京都園芸倶楽部会長
京都大学において、演習林試験地の再建と研究基盤の整備および学生への樹木学教育に果たした功績、並びに都市緑化、環境景観の向上に役立つ樹木類の育成・導入、多年の植物研究を通じた社会教育への貢献などの功績
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荻巣 樹徳東方植物文化研究所主宰
中国西部の植物・植生の多年の調査により、多数の新種の発見、新分布地の確認、野生コウシンバラの百年ぶりの再発見など学界に貢献した功績、並びに日本の伝統園芸植物多数の栽培・保存に努めた学術・文化的功績
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切り花ギク周年供給技術研究グループ(愛知県農業総合試験場 園芸研究所 花き研究室)
愛知県園芸研究所を中心に、ニ十数年にわたり、日本の花卉生産中最大シェアを占める切り花ギクの周年供給のための技術の開発・指導・システム化に努力してきた功績、並びに全国キク生産の基盤作りに寄与した功績
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北村 四郎京都大学名誉教授
キク科を中心とする植物分類学を確立した功績、ならびに日本・中国・ヒマラヤの植物研究に顕著な業績をあげ栽培植物や花と緑に関わる文化を通じて植物学の普及に貢献した功績
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塚本 洋太郎京都大学名誉教授
多数の著作を通じ花卉園芸の普及啓発に努め、日本の花卉園芸学を確立した功績、並びに海外との技術交流への尽力及び国際花と緑の博覧会の運営・指導に貢献した功績
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立花 吉茂花園大学文学部教授
熱帯産を主とする観賞植物・有用植物の探索、日本への導入、栽培技術の開発、育種、普及に果たした功績、並びに花博の「咲くやこの花館」の植物展示を成功に導いた功績
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堀田 満鹿児島大学理学部教授
熱帯地域の植物群の分類と整理に顕著な業績をあげた功績、並びに花と緑の映像記録の作成、及び大冊「世界有用植物事典」の編集などを通じて広く人々に普及、啓蒙する活動に果たした功績
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