「自然と人間との共生」理念の普及への助成
人間が自然を尊び調和しながら生きる社会の実現を普及する活動及びその関連事業に対する助成を行う。

  • 概要
  • 2014年活動
  • 2015年活動

教員フェローシップ・プログラム

「タナゴの生態調査 - 外来種の影響を探る」

参加いただく野外調査の概要

1. 調査名「タナゴの生態調査 - 外来種の影響を探る」
存続が危ぶまれている胆沢のタナゴ調査にボランティアとして
参加していただきます。
(生態学の専門知識は必要ありません)
2. 研究者
角田 裕志(つのだ ひろし)
岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター 准教授
3. 調査地
岩手県奥州市胆沢(いさわ)区
4. 宿泊先
焼石クアパークひめかゆ(奥州市胆沢区若柳字天沢52-7)
5. 野外調査から得られること
  • 農業用ため池に捕獲カゴを設置し、捕獲した魚類の種類や個体数を記録する魚類調査体験
  • 在来タナゴの生息状況確認と外来タナゴの捕獲・駆除、周辺の環境調査体験
  • 研究者による講義(要点)
    a. 二枚貝に産卵するという特殊な生態を持つタナゴの生態や、タナゴと他の魚類や周辺環境との関係
    b. 農業水域における淡水魚類の生息に影響する諸要因
    c. 外来種(特に外来魚)の分布拡大とその社会的な背景、在来生態系に与える生態的影響の実例
    d. 農業や地域社会の現状がため池等の里山保全に与える影響や社会的な課題

主なスケジュール

9月27日(土)
11:00 a.m. 東北本線 水沢駅集合
12:00 昼食・調査準備
13:00 - 17:00 作業説明・野外調査・計測・記録
17:00 - 18:00 調査終了・片づけ
18:00 宿泊施設チェックイン・入浴
19:00 夕食
20:00 - 21:00 レクチャー
9月28日(日)
7:00 朝食・準備・調査地へ移動 
8:00 - 11:00 野外調査・計測・記録 
11:00 - 12:00 調査のまとめ・片づけ 
13:00頃 移動・水沢駅にて解散 

活動報告

2014年9月27日(土)から28日(日)にかけて、岩手県奥州市胆沢(いさわ)区でタナゴの生態調査を開催しました。 この調査は、アースウォッ チジャパンの協力を得て、教員プログラムとして行われ、選抜された小学校教員4名が、角田 裕志(つのだひろし)先生(岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター寄附研究部門 准教授)の指導により、調査体験やレクチャーなどのプログラムを行いました。

調査プログラム 一日目

写真をクリックするとアルバムがご覧いただけます

初日は、午後から調査地のため池に行き、角田先生ら研究者が投網で捕獲した生きものを観察したり、角田先生の指導のもと、参加者全員が投網の実習を行いました。

実習に引き続き、魚類調査について指導があり、捕獲用のカゴ網を全員で準備し、設置しました。

実習や調査準備の合間に、研究者が投網などでタナゴの捕獲を試みましたが、確認できなかったため、他のため池で探しましたが、やはりタナゴは見つかりませんでした。

タナゴの生態レクチャー

夕食後、角田先生によるレクチャーが行われました。 二枚貝に産卵するという特殊な生態を持つタナゴの生態や、外来魚などの分布が拡大していることにより日本の在来魚が減少している現状、釣り人によりタナゴが乱獲されてインターネットオークションなどで高値で売買されていることなど、タナゴを取り巻く様々な課題が浮き彫りにされました。 レクチャーの後は、懇親会を行いながら熱心な質疑応答が夜11時まで交わされました。

調査プログラム 二日目

写真をクリックするとアルバムがご覧いただけます

朝食の後、調査地のため池に移動し、魚類調査を開始しました。 まずは2班に分かれ、1日目に仕掛けたカゴ網を引き上げて確認したところ、タナゴを発見。 早速、写真撮影と計測を行い、記録しました。 他の網からもタナゴや他の魚種が確認され、このため池はタナゴが絶滅していないことが分かり、研究者も参加者も安堵しました。

【今回捕獲された魚類】

タナゴ、タイリクバラタナゴ(国外外来種)、モツゴ(国内外来種)、ドジョウ、ヨシノボリ類、フナ類

その後のクラスでの環境授業

参加者の感想

  • ため池での調査の仕方が分かった。
  • 研究者の講義(外来種の影響や社会的背景の話)が楽しかった。
  • 今回参加して、「環境教育は主観を入れずにデータを伝えるだけでよい。
    後は聞いた人が考えるのに任せるのが良い」という考えが新しい発見だった。
  • 他地区の先生方とたくさん話せたことが楽しかった。

このタナゴの生態調査プログラムは、参加した教員が自らの体験を子どもたちに伝えていくことを目的に実施しました。 参加した教員からは、早くも体験を生かした授業をしたとの嬉しい報告が届いています。

これからも松下幸之助記念財団は、アースウォッチ・ジャパンと協働し、教員を対象とした体験プログラムを進めていきます。