発生生物学者として植物の構造の主要な構成要素である葉に注目し、モデル植物シロイヌナズナを用いて、葉形・サイズの制御機構の解明に貢献してきた。さらにそれを、自然界で見られる渓流植物の狭葉化、イグサ科植物の単面葉、アスパラガス属の茎の偽葉化などといった、特徴的な形態を示す葉や葉と類似する器官の形成機構の研究へと発展させている。
また、フィールド調査による新種の記載も進めている。植物に関する魅力的な著作物を多数発表しており、人と自然の関わりを深める上での貢献も高く評価された。植物学に関する学術的評価だけでなく、植物への深い洞察を通じて社会への知識還元に積極的に取り組んでいることが評価され、奨励賞の授賞者として選定された。